高速・格安を訴求する「スターサーバー」のレンタルサーバーは、ドメイン取得サービスの「スタードメイン」と関連したサービスです。
2009年に運営会社の「ネットオウル株式会社」が設立され、スタードメインや、レンタルサーバーの「ファイアバード」(現スターサーバー)などのサービス提供を始め、2013年からは別の人気のレンタルサーバーである「エックスサーバー」の関連会社の一つになりました。
スターサーバーは格安の料金プランが特徴ですが、WordpressのCMSツールを簡単にインストールする機能や、SSLなどのセキュリティ機能もしっかり備えています。
今回は、スターサーバーのWordpress簡単インストール・設定方法・使い方などを詳しい手順と共に解説します。
■公式サイト: スターサーバー
■目次 1. WordPressが使えるスターサーバーの料金プラン 2. スターサーバーでWordpressをインストールする方法・機能の使い方 3. FTPファイルマネージャーの操作方法・使い方 4. WordPressのアンインストール・サイト削除の方法 5. WordPressサイトの移行・引越しをする方法
WordPressが使えるスターサーバーの料金プラン
スターサーバーのレンタルサーバーには複数の料金プランが有り、それぞれ機能・スペックに違いがあります。
一番安い「エコノミー」プランは、月額わずか126円(税抜)でサーバー利用できます。
■格安プランの注意点
ただし、このエコノミープランには、Wordpressサイトを運営するのに必要なデータベースがありません。
主に、FTPツールでウェブサイトのファイルをアップロードして制作をしたり、メール利用などが主な利用用途として想定されているようです。
■データベースが利用可能な料金プラン
下記のその他のプランであれば、データベース(MySQL)が利用可能で、Wordpressの簡単インストール機能も利用できます。
通常、これらの料金プランでスターサーバーに契約し、Wordpressを利用するのが良いと思います。
・ライトプラン:月額200円〜 ・スタンダードプラン:月額400円〜 ・プレミアムプラン:月額1,000円〜 ・ビジネスプラン:月額3,000円〜
■Wordpressが使えるスターサーバーフリー(無料プラン)
スターサーバーには上記の通常のプランに加えて、「スターサーバーフリー」という無料でサーバー利用できるプランもあります。
機能・容量的には制限がありますが、利用できる機能については完全無料で利用できるという、特異なサービスです。
スターサーバーフリーの中には3種類のプランが有り、その内の「フリー PHP+MySQL」は、データベース(MySQL)とWordpress簡単インストールも利用できます。
ディスク容量がわずか2GBと限られ、メールアカウントは利用不可、更にはスマホで自身のサイトを閲覧すると広告が表示されてしまいます。
それでもWordpressサイトを制作できる点は変わらないため、例えばテストサイトの制作や検証、個人ブログをWordpressで運用するなどのケースには合致しそうです。
■公式サイト: スターサーバーフリー
スターサーバーでWordpressをインストールする方法・機能の使い方
それでは次に、実際にスターサーバーに契約して、Wordpressをインストールしてウェブサイト制作を進める手順を解説します。
今回はスターサーバーのライトプランに契約し、ドメイン設定・SSL設定・Wordpressインストールと進めていきました。
スターサーバーのサイトから「メンバー管理ツール」にログインし、「スターサーバー管理」のメニューから、サーバーを操作する管理画面へとアクセスして下さい。
1. ドメイン設定:独自ドメイン・サブドメイン
WordPressをインストールする前に、まずはURLを定義するドメインを追加します。
「ドメイン設定」のメニューで、関連サービスの「スタードメイン」や他社ドメインサービスで取得済の独自ドメインを追加できます。
なお、スターサーバーで予め割り当てられる、「~.stars.ne.jp」の形式の初期ドメインや、運営会社から提供してもらえる無料の独自ドメインも利用可能ではあります。
ただし、通常自分でウェブサイトを制作するのであれば、サイト名・会社名などと関連した公式的なドメインを取得してURLにする方が良いです。
また、独自ドメイン・初期ドメインに関連させて、サブドメインも下記のように追加できます。
2. DNSレコード設定・ネームサーバーの対応
WordPressサイトのURLを定義するドメインですが、スタードメインではなく、他社ドメインサービスで取得した場合、DNSレコードの追加設定が必要です。
ドメインはそれぞれ、どのサーバーと連携しているか、IPアドレスが指定されています。
それによって、そのドメインにブラウザ上でアクセスすると、その指定されたサーバーにあるウェブサイトが表示される仕組みとなっています。
そのため、別のドメインサービスでドメインを取得した場合は、スターサーバーのIPアドレスをドメイン側で設定し直す必要があるという状況です。
設定する値は、スターサーバー・管理画面の「サーバー情報」で確認できます。
■DNSレコードを設定する方法
ドメインサービスにて、対象ドメインのDNS設定変更、といったメニューを操作して、「Aレコード」を追加し、値にスターサーバーのIPアドレスを指定します。
これで、他社ドメインサービスで取得した独自ドメインを、スターサーバーで表示する設定が整いました。
■DNSレコードとネームサーバーとの違い
DNSレコードと似通ったものとして、ネームサーバー設定というものがあります。
実は、このネームサーバー設定をドメイン側で、スターサーバーの「ホスト名」の値に変更することでも、対応はできます。
しかし、基本的にはこの対応はおすすめしません。
このネームサーバーを切り替えることで対応してしまうと、その配下に位置づけられる存在である、DNSレコード設定が無効化されます。
DNSレコードに設定する値が上記のようにAレコードだけであれば結果は同じですが、その他にもメールの管理をGsuiteのGメール画面を使うような場合は、DNSに「MXレコード」を追加する必要があります。
そのため、基本的にはDNSレコードで細分化した設定をするのが良いはずです。
3. SSL証明書発行・セキュリティ設定対応
■SSLとは? 必要性について
SSL証明書発行というセキュリティ対応も、Wordpressサイト制作時に必須です。
そもそも「SSL」は、Secure Sockets Layerの略です。
これは、ウェブブラウザと、スターサーバーなどのウェブサーバー間のデータ通信を暗号化してセキュリティ強化するものです。
個人情報・ログイン情報(ID・パスワード)などが不正に取得されてしまうこと、改ざんなどを防ぐことを目的としています。
このSSLが対応されると、URLの頭が「https」となり、一定のセキュリティが保たれていることが、ブラウザを通じても分かります。
SSLが対応されていない場合、「安全ではない」旨が表示されてしまいます。 Googleなどの検索エンジン上での表示順位にも影響が出るため、対応は必須だと思います。
■スターサーバーでSSL設定する方法
管理画面の「SSL設定」メニューで、任意のドメインに対して僅かなクリック処理で対応可能です。
サブドメインに対しても、同じくすぐにSSL設定を対応できます。
スターサーバーでは、他社レンタルサーバーの多くと同様に、無料SSL証明書として、「Let’s Encrypt」のサービスが適用されます。
4. WordPress簡単インストールの実行
独自ドメイン・DNSレコード・SSL証明書の重要な設定の次に、いよいよWordpressのインストールを実施します。
管理画面の「簡単インストール」メニューで、ドメインを選択して、Wordpressの「インストール設定」ボタンを選択します。
もしサブドメインに対してWordpressをインストールする場合でも、ここでは一旦、元となる独自ドメインを選択します。
次の画面でサブドメインを選択して、Wordpressのインストールができます。
5. WordPressインストール先フォルダ・ログイン情報の入力
次に、WordpressのファイルをインストールするURL(サイトURL)、ブログ名(Wordpressサイトの名称)、ユーザ名・パスワード・メールアドレスのログイン情報を入力します。
■データベース
Wordpressはファイルに加えて、データベースにも記事投稿データやユーザー特有のデータが格納されます。
そのデータベースを、既にスターサーバー管理画面で作成済のものを選ぶか、ここで新規に自動作成するかを選べます。
■インストール先URL
なお、インストールURLに、/blog/ などを指定することで、Wordpressサイトのトップの改装を、ドメイン + /指定したディレクトリ名/ にすることができます。
もし、既に独自ドメインでサイトが存在し、その配下にブログ用のWordpressをインストールする場合などは、この設定が活用できます。
全て入力したら「確認画面」のボタンを押し、Wordpressのインストールが進められます。
完了すると下記の画面に移り、Wordpressのダッシュボード(管理画面)へのログインURLが発行されます。
6. WordPressダッシュボード(管理画面)のログイン
上記URLにアクセスすると、このWordpress定番のログイン画面となります。
先ほど入力したログイン情報を入力すれば、下記のダッシュボードへ遷移します。
7. WordPressダッシュボード(管理画面)を操作する
WordPressのダッシュボードでは、主には下記のようなメニューと操作できる内容があります。
WordPressメニュー | 操作内容 |
---|---|
投稿 | ブログ記事などを執筆できます。カテゴリ・タグなどを記事に指定して関連させたり、ページを設けられます。 |
メディア | 画像・PDF・音声などのファイルをアップロードできます。 |
固定ページ | 問合せページ・会社概要・サービス説明などのページを作成できます。 |
コメント | ブログ記事に投稿される、読者からのコメントを閲覧・管理できます。 |
外観 | サイトのデザイン・表示項目・メニュー・サイドバーなどを作り込むことができます。 |
プラグイン | WordPressに登録された、外付け機能をインストール・管理できます。 |
ユーザー | 操作しているユーザー自身、他の共同制作者などのユーザーアカウントの登録・編集などの管理ができます。 |
ツール/設定 | サイトの仕様(日付やURL形式、言語設定など)を管理できます。 |
FTPファイルマネージャーの操作方法・使い方
WordPressインストール時にサーバーに格納した各種ファイルは、スターサーバーが提供するFTP(WebFTP)で、操作することができます。
Wordpressサイトを構成する、PHP・CSSなどのコードを編集する場合、このFTPで便利に対応できます。
(外部の高度なFTPツールを利用したり、開発者であればGitHubを利用することも有り得ます。)
■スターサーバーのWebFTPを操作する
使い方としては、サーバーの管理画面で「FTPアカウント設定」メニューの画面にアクセスし、WebFTPの「ログイン」をします。
上記画面のように、スターサーバー内にあるファイル・フォルダが閲覧・操作できます。
なお、インストール先URLに指定した名称が、フォルダとして設けられており、確認・操作しやすいと思います。
そのフォルダの中に、インストールしたWordpressファイルがあります。
WordPressのアンインストール・サイト削除の方法
インストールしたWordpressをアンインストールして、制作したサイトを削除する場合、スターサーバーから実行できます。
サーバー管理画面から「簡単インストール」のメニューにアクセスします。
ここでは、既にインストール済Wordpressの一覧を確認できます。
ここで、削除したいWordpressサイトの右側にある「削除」ボタンをクリックします。
■アンインストール・削除の実行
次の画面では、削除される対象のファイルが表示されます。
「アンインストールする」のボタンをクリックすると、それらのファイルが削除され、サイトへのアクセスもできなくなり、実質アンインストールが完了です。
ただし、データベースは削除対象ですので、必要に応じて「データベース設定」から削除をして下さい。
WordPressサイトの移行・引越しをする方法
既に別のレンタルサーバーなどでWordpressサイトを運用していて、新たにスターサーバーへ移行する場合、それに特化した機能やサポートはありません。
他社レンタルサーバーのいくつかには、簡単なクリック処理だけで、Wordpressファイル・データベースを移送できる機能が提供されていることもあります。
(ロリポップのレンタルサーバーなど。)
スターサーバーでは、ユーザー自身で元のWordpressサイトのファイル・データベースをダウンロードし、新たにスターサーバーのFTPなどを使ってアップロードすることで、移行・引越しをする必要があります。
スターサーバーとWordpressにおすすめのレンタルサーバー比較
下記のページでは、スターサーバーと他社レンタルサーバーのWordpress機能・料金プラン・使い勝手・カスタマーサポート・速度まで評価比較しています。
これからレンタルサーバーを契約してWordpressサイトを運用していこうという方は、是非サーバー選びの参考にしてみて下さい。
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